グル・コラ(グルメに関するコラム集)
開いててよかった!ここにあり・吉野屋 「ルポ・KAIGAI 2003/04/25」より
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ストップ・オーバー(注1)で台湾の台北市に一泊したことがある。渡辺満里奈
(注2)には申し訳ないが、台湾料理はマズイのひとこと。何処で何食べてもやた
ら辛くて、麺類ならいけるかと思ってトライするも、変な歯ごたえの麺のうえに、変
な香料の香りがプンプン。「辛さを控えて」と注文したにもかかわらず、出されたモ
ノは激辛。
そんな私の目の前に飛び込んだ馴染みある赤い看板。「吉野屋」だった。少し
雰囲気が日本のものと違うのは、店内に独特のコの字型のカウンターがないこ
と。テーブル席のみで、オーダー専用のカウンターが正面にある。ここではセル
フ・サービスなのだ。マックと全く同じレイアウトと考えてもらえば話も早い。客はひ
とりもなく学生風の男子アルバイトの店員がカウンターに立っている。彼が英語で
バンバン会話してくる。
余談だが、台北では若い世代の英語学習が盛んなことをこの旅で感じた。米軍
が駐留している理由もあるだろうが、国をあげて国際社会について行こうとする
精神が伝わる。このままだと我が日本はアジアの中でも落ちこぼれる。
セット・メニューがお得?と言われて注文し、出てきたモノはお盆にのった牛丼と
ウーロン茶それにサラダの小皿。ここでも「辛くするか?」と聞かれたが、かたくな
に拒否した。味はとにかくしょっぱい。客が少なくて、タレが煮詰まっているのであ
る。
見た目も、お味も「吉牛」とは違っていたが、マズイ台湾料理よりはまだマシだっ
た。海外を旅すると時にこんな救世主的な食事処が恋しくなることがある。
注1) 飛行機の経由地(乗り換え地)で24時間以上その都市に滞在すること。
当然空港の外に出られるが、航空会社によっては無料や追加料金アリなど
様々。 注2) 元「オニャン子クラブ」の一員。現在は台湾グルメの本を執筆する
くらいのその手の通。
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