グル・コラ(グルメに関するコラム集)
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製本作業に疲れたし、コラムでも1題書くかな。
来週末は例年恒例の、親戚一同を介した「バーベキュー」で渓流に出かける予
定だ。その予行練習も兼ねて、今晩の我が家では、七輪コンロによる自家製の
焼き鳥が食卓を飾った。スーパーに買い出しに行ったのだが、さすがに「鶏インフ
ルエンザ」の影響で、国産鶏肉の価格は高い。
自分にとっては、安くて旨いブラジル産の鶏肉は、例の騒ぎよりも遥か以前から
愛顧させてもらっているから関係がない。
さて、スーパーの精肉売場の鶏肉コーナーで、ある親子の会話が以下のごとく
始まった。
「ブラジル産の方が安いよ」
と、お子さん。すると母親は、
「駄目! うちは国産しか食べないのッ」
国産のものはブラジル産の2〜3倍の相場だった。
ホントに国産の方が美味しいのかな? よく巷で焼き鳥を食わせる一杯飲み屋
でも、お洒落な雰囲気を醸しだす店のは国産地鶏を使っている。が、どうも自分
は箸が(串が)あまり進まない。高級すぎて、上品すぎて、すぐに飽きてしまうの
だ。私が食べたい焼き鳥は、昔懐かしいホルモン系の縁日・屋台で食べたモノ
だ。とはいえ、安いホルモンの焼き鳥は、下ごしらえに大変な作業を強いられる。
ブラジル産でも、タイ産でも、国産レグホンでも、安くて脂身の多い、柔らかい鶏モ
モ肉なら縁日の焼き鳥に近いモノが復元できる。これなら10本でも、20本でもいけ
る。ちなみに、最近屋台で売られている焼き鳥は、タイ(王国)で串刺しにされ、味
付けされて冷凍保存されたモノ。これはイカん。食感も味も、焼き鳥ではなく、「煮
とり」だ。
鶏肉以外の豚肉や牛肉、そして魚介類は、圧倒的に国産に限ります。
最後に、焼鳥屋でレバーを注文して、鶏のレバーが出てきた試しはありません。
殆ど99%の確率で豚か牛のレバーです。これでは「羊頭狗肉」で、詐欺ではない
か。もっとも、鶏のレバーは串刺しが非常に難しくて、おまけに焼き方も苦労が伴
います。
若干22歳にして、卒論のテーマを「やきとり」にしようかとしたくらい、そのテーマ
には研究を重ねました。「タレよりも、塩が旨い店の評判」ならば、そのやきとり店
はアウト。焼き鳥の命はタレを焦がす煙の臭いにあります。煙の臭いが悪ければ
(無ければ)、喰っても旨くありません。マズい肉を旨いタレで誤魔化すのが「やき
とり」だと未だに信じています。
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